2013.03.11

ふるさとへ

東日本大震災から1ヵ月半ほどが経つころ、水戸の茨城県近代美術館では、「ふるさとを描く―いばらき美術風土記」展が開催されました。もともとは3月12日からの会期を、震災のため大幅に遅らせ、それでも復旧を急いでくれた展覧会だったのではないかと思います。

展覧会は、10日間で5000人もの人々が訪れ、この数字はそれまでの10倍近くの数にのぼるとのことです。余震が全く収まる気配を見せない中、横山大観の筑波山図や、「常陸国風土記」へのまなざしを持った小川芋銭の水郷図等々、人々は「ふるさと」へ帰るかのように、美術館を訪れたのではないでしょうか。大観の師、岡倉天心の六角堂(茨城五浦)は、津波で跡形も無くなっていました。

私がこの展覧会で、特に印象に残っているのは、藤島武二の描いた大洗の日の出図です。大洗の日の出を描いた画家は多く、また古事記などでも描かれる大洗という場所は、日本の聖地としても知られています。その絵を見て、私は素朴に、ああいいなあと思いました。何か原点に帰るようなこころもちにさせられ、力をもらった気がしました。

根源に帰る。そして、明日へ・・。


あの日、強く香ってきた偕楽園の梅花が、今年も見ごろを迎えています。