2018.01.01

ゴッホ展

「巡りゆく日本の夢」と題された展覧会。あまり美術館に出かけられなかった昨年でしたが、年の終わりにゴッホに出会えました。あらためて、ゴッホの自然、太陽への純粋な信仰を強く感じました。そして、日本への想いを。「彼らみずからが花のように自然の中に生きていく。こんなに素朴な日本人たちが我々に教えるものこそ、真の宗教とも言えるのではないか。もっと自然に帰らなければいけない」(ファン・ゴッホ)。展覧会図録を見ながら思いましたが、気を付けなければいけないことは、ゴッホの日本への想いというものを矮小化してはいけないということです。思想家としてのゴッホを軽く見たり偏向的に見てしまえば、ゴッホの存在は一時代の花でしかなくなるでしょう。牧師の家に生まれ、伝道師を志したゴッホが、信じるもののために命を削って戦ったもの、それは自己に他ならず、ゆえにその作品は普遍に通ずる真の個性を持っています。「明けの明星がかがやき、それがとても大きく見えた。この光景には、全てが溶け合った大いなる平和と荘厳がある」(ゴッホ:精神科病棟の鉄格子越しに)。

Posted at 12:21 | 日記 |
2017.12.06

神谷ふじ子展評

「美術の窓」(生活の友社)12月号の展覧会評に掲載されました。
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2017.12.04

雪の日

「二〇才頃であつた 雪の日の府美術館で佐伯祐三と富岡鉄斎の遺作展が開かれていた 雪のため誰も人はいなかつた 一日ゆつくりと見る事が出きた この事によつて自分の生涯は変化したのである」(櫻井陽司)。
[櫻井陽司会通信第四号より(今月発送)]
Posted at 22:35 | 詩文 |
2017.11.10

本日の展示風景

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佐々木誠/湯津爪櫛、発心門

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櫻井陽司/少年


2017.10.17

10月30日より神谷ふじ子展

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2017年10月30日(月)~11月5日(日)
11:00~18:00 最終日は17:00まで

「進歩」というものが我々から「死」を遠ざけ、同時に「生」の灯に影を落としていないだろうか。むしろ、すぐ隣にある「死」と親しかった我々の「生」はかがやき、そこから生まれた美がかがやいていた。神谷ふじ子の彫刻におけるうつろいゆく時、或いは「死」たる銅板の腐蝕、緑青の重なりは、七宝焼という「生」の片影と一体となり、あらわれたフォルムの魂鎮めをしている。魂を振い起こす「たまふり」のために捧げられつつ。ミケランジェロ最晩年の作「ロンダニーニのピエタ」に神谷は深い啓示を受け、その未完の永遠性を日本人としての自然観と共振させることで、非時間への端緒を開こうとする。生きるゆえの「死」への想い、よみがえり・・。彫刻家は「いのち」に殉じようとしている。

神谷ふじ子 略歴
長野県生まれ
女子美術短期大学造形科図案教室卒業
1984 北海道七宝作家協会展 最優秀賞受賞
1996 公費留学イタリア・フィレンツェ(彫刻・彫金研鑽)
1999 二紀展奨励賞受賞 '08同人賞 '10退会
2007 日仏現代美術展 最優秀作家賞受賞
2011 日本芸術センター第3回彫刻コンクール審査員賞受賞
    東京芸術センター日本現代美術館に作品収蔵
2013 パリ・ギャラリーサテライト シナジー展
2015 友情の絆展 世田谷美術館
2016 現代日本彫刻作家展 東京都美術館
現在 日本美術家連盟会員
   金属造形工房 FUJI主宰
   女子美術大学アートセミナー講師

2017.09.26

神谷ふじ子展

2017年10月30日(月)~11月5日(日)
11:00~18:00 最終日は17:00まで

「進歩」というものが我々から「死」を遠ざけ、同時に「生」の灯に影を落としていないだろうか。むしろ、すぐ隣にある「死」と親しかった我々の「生」はかがやき、そこから生まれた美がかがやいていた。神谷ふじ子の彫刻におけるうつろいゆく時、或いは「死」たる銅板の腐蝕、緑青の重なりは、七宝焼という「生」の片影と一体となり、あらわれたフォルムの魂鎮めをしている。魂を振い起こす「たまふり」のために捧げられつつ。ミケランジェロ最晩年の作「ロンダニーニのピエタ」に神谷は深い啓示を受け、その未完の永遠性を日本人としての自然観と共振させることで、非時間への端緒を開こうとする。生きるゆえの「死」への想い、よみがえり・・。彫刻家は「いのち」に殉じようとしている。

2017.08.21

ドン・キホーテ

「騎士道が途絶えて三百年過ぎた・・」(「ラ・マンチャの男」)。
十七世紀初め、セルバンテスがドン・キホーテの物語を出版したとき、西洋の騎士道は既に三百年前にその最後を迎えていました。
「武士道を創造した民族と、騎士道を創造した民族が、どうして対話できないはずがありましょうか」と語ったのはアンドレ・マルローでしたが、櫻井陽司さんがドーミエの「ドン・キホーテ」の絵を見て、「実に実におどろく。一生の内もっと早く早く見たかった」と語ったとき、其処にどのような「対話」があったのか興味深く思います。
「姿ハ似セガタク、意ハ似セ易シ」とは本居宣長の言葉ですが、武士道の民と騎士道の民の「似せがたき姿」の共振があったのかも知れません。
(櫻井陽司会通信第三号より)

Posted at 19:50 | 詩文 |
2017.05.12

静けさは心のおくそこである

どんなはげしい絵でも 静けさがなければだめだ 静けさは心のおくそこである 櫻井陽司
(櫻井陽司会通信第二号より)
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Posted at 10:20 | 詩文 |
2017.04.20

見えない力―感動という原点 [木彫]佐々木誠+[日本画]木村浩之

【前期】平成29年4月23日(日)~4月29日(土)
【後期】       5月6日(土)~5月10日(水)
正午~午後6時 (最終日は5時まで) 入場無料

[木彫]佐々木誠 略歴
昭和39年(1964)東京生まれ。1997年彫刻創型展、文部大臣賞。2010年個展(羽黒洞)。2012年アートフェア東京シャッフルⅡブース出品。2014年個展(ギャルリさわらび)。「スサノヲの到来―いのち、いかり、いのり」(足利市立美術館、2015年DIC川村記念美術館、北海道立函館美術館、山寺芭蕉記念館、渋谷区立松濤美術館に巡回)。

[日本画]木村浩之 略歴
昭和50年(1975)東京生まれ。多摩美術大学日本画専攻卒業。2009年個展 (Galerie Hexagone / ドイツ・アーヘン) 。 2011年個展 (柴田悦子画廊、羽黒洞)。2013年個展(新宿伊勢丹)。 個展(銀座三越)。2014年第38回人人展出品。2015年個展(パークホテル東京)。2016年個展(ギャルリさわらび)。個展(南魚沼市・池田記念美術館)。

昨秋展「角力國家ノ元氣ヲ養フ」(角聖常陸山の言葉)は、茨城県(常陸国)出身の稀勢の里関へのエールでもありました。相撲をテーマに描き続けている日本画家木村浩之さんは昨夏、茨城県の舟塚山古墳(堀を含め260m)を訪れ、そこから見る風景の悠大さに想を得た作品「筑波」を描きました。神事である相撲の起源の神、武の神である鹿島神の神域と、万葉集で最も多く詠まれた山である「紫峰」筑波山に挟まれたこの地は、日本武尊伝承の色濃い神話の里でもあります。日本神話や日本の歴史に自己の胚胎の原点を据え、代表作「夜久毛多都」など芸術の神、荒ぶる神たるスサノヲ像でも知られる彫刻家佐々木誠さんと共に、本展ではお二人の作品の奥に宿り、そして滾(たぎ)る「見えない力」に触れて頂ければと存じます。手負いの新横綱を突き動かしたその力こそは、感動という原点、生きる源に通じるものでしょう。綱を締める度に自分自身が清められ洗われると語った横綱のこころは、芸術家の仕事の原点、引いては私どもの生きる原点であり目指すところでもあるのかも知れません。(田中壽幸)

s-筑波木村浩之
≪筑波≫ 木村浩之 ジークレー版画/B3 限定50部 ※ご予約を承ります
(原画/カンバス、白亜、岩絵具、墨、胡粉、雲母)
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2017.03.31

感動は力

手負いの稀勢の里の逆転優勝は、相撲ファンのみならず、多くの人の感動を呼びました。勝ち負けも大事ですが、それだけではない、日本の歴史の中に様々な形であらわれている武士道というものを、想起せずにはいられませんでした。
横綱としての最初の場所で、後々のことを合理的に考えれば休場するのが当然であり最善と多くの人が考えていました。ところがその選択肢は無く、14日目は完敗、そして千秋楽の奇跡が起きます。
ようやく横綱となった最初の場所で相撲人生が終わることになろうが、稀勢の里は今ここ、この場所で「一所」懸命を貫きました。大怪我を負って相撲がとれなくなったら、などという「理性」を超越したところにこそ、感動や感激はあることをあらためて教えてくれた春場所でした。スポーツではない相撲を見ることが出来ました。
「大は小をもって、小は大をもって」という言葉がありますが、稀勢の里もこの大事に大決心をして出場したのではなく、むしろあたりまえに土俵に上がり、あたりまえに勝ちにこだわった結果なのでしょう。そこに「見えない力」がはたらいた。人は損得勘定も相俟って、大きなことを小さな気持ちでやるということはなかなか出来ません。
さわらびをはじめたきっかけとなった14年前の感動を思い出していました。世阿弥の言う「初心」を忘るべからずです。
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Posted at 22:11 | 日記 |